2025年3月12日、人気オープンワールドRPG『原神』の公式Xアカウントは、イファ役として出演予定だった声優・森久保祥太郎さんが降板することを発表しました。公式発表では降板の理由について「諸般の事情により、やむを得ず」としか説明されていません。
降板の背景と憶測される理由
朗読劇「命がけの証言」への出演
降板の理由として最も広く憶測されているのは、森久保さんが2024年8月に出演した朗読劇「命がけの証言」が関係しているのではないかという点です。この朗読劇は、清水ともみ氏による同名の漫画を原案としており、中国の新疆ウイグル自治区の問題をテーマにしています。
朗読劇は2024年8月13日~16日に東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで上演され、森久保さんは主人公の小清水役を演じました。作品の内容は、「在日ウイグル人と日本人青年の出会いで明かされる東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)の信じがたい事実」を描いたものです。
原作漫画「命がけの証言」は、ウイグル族が強制収容所で受けた虐待などが証言に基づいて描かれており、清水ともみ氏と静岡大学人文社会科学部教授の楊海英氏との対談なども含まれています。楊海英氏は「ウイグル人女性(男性)などが強制収容所で受けた虐待や人体実験の生々しい証言が描かれています。ユダヤ人がアウシュビッツなどのナチスの収容所で体験したものと瓜二つ」と述べています。
https://books.rakuten.co.jp/rb/16540555
中国SNSでの反応
『原神』は中国に拠点を置くmiHoYoが開発したゲームであり、中国国外向けにはCOGNOSPHER社によるHoYoverseから展開されています。
中国のSNS(Weibo)上では、2月14日頃から森久保さんの起用に対する批判が広がっていたとされています。一部の中国ユーザーは、森久保さんが「命がけの証言」に出演したことを問題視し、「領土の安全を脅かす」として即刻降板を要求していました。
中国の微博(Weibo)では「#森久保祥太郎塌房(森久保祥太郎の失脚)」というハッシュタグが話題となり、森久保さんの降板が発表された後は「これは理所当然の結果だ」といった反応が見られました。
公式発表と今後の展開
『原神』公式は降板の発表と同時に「関係各所にご迷惑をおかけしました事お詫び申し上げます。また、旅人の皆様にご迷惑とご心配をおかけします事、深くお詫び申し上げます」と謝罪しています。
イファは現在ゲーム内の他キャラクターなどのメッセージから確認できるキャラクターで、ナタで竜医(獣医)を務めているという設定があります。森久保さんは2024年10月にイファ役の声優として発表されており、多くのファンが期待していました。
現時点では、イファ役の新たな声優については発表されていません。また、すでに録音されていたセリフの差し替えが行われるかどうかも不明です。
ファンの反応
降板の発表を受け、日本のSNS上では「体調不良とかなら心配」「諸般の事情ってなんだ?」「何があったんだってばよ」といった困惑や心配の声が上がっています。また、「森久保さん降板の理由に朗読劇が原因みたいな噂を聞いたんだけど、だとしても起用したなら最後まで続けてほしかった」といった意見も見られます。
一方で、「もうそろ実装すると思ってたのに…ナタ最後の方に延期かな」「魔神任務でちらっと出てきたけど取り直しするんかな」など、今後のゲーム展開についての懸念も表明されています。